棚卸のやり方と最適な時期は?正確な在庫管理を実現する方法
Ξ目次
01. 棚卸とは
1-1. 棚卸の目的
1-2. 棚卸の課題
02. 棚卸方法
2-1. 実地棚卸
2-2. 帳簿棚卸
03. 棚卸の頻度と時期
3-1. 棚卸の頻度
3-2. 棚卸の時期
04. 実際の棚卸の手順
05. 正確で効率的な棚卸を行う方法
5-1. 在庫管理システム(WMS)
5-2. 棚卸作業のマニュアル化とスタッフ教育
5-3. 物流倉庫にアウトソーシングする
06. ミカロジの通販(EC)倉庫サービスをご紹介
07. まとめ
棚卸がうまくいかない…その悩み、解決しませんか?
在庫管理の要ともいえる「棚卸」。正確に行うことで在庫状況を把握し、事業運営の効率化につなげる重要な作業です。しかし、いざ実践すると「数が合わない」「ミスが多い」「時間がかかりすぎる」といった課題に直面することも多いのではないでしょうか。
この記事では、棚卸の基本的な手順から、ミスを防ぎスムーズに進めるための具体的なコツや工夫をご紹介します。作業のストレスを軽減し、効率的かつ正確な棚卸を実現するためのヒントをお届けします。ぜひ最後までご覧いただき、明日から実践できるアイデアを取り入れてみてください!
01. 棚卸とは
1-1. 棚卸の目的
棚卸の目的は、在庫の正確な状況を把握することです。これにより、余剰在庫や欠品の原因を特定し、適切な在庫管理が可能になります。具体的には、販売や仕入れの計画を最適化し、在庫回転率を向上させることが目指されます。また、財務面においても、棚卸を通じて資産としての在庫価値を正確に算出し、適切な決算処理を行うことが求められます。さらに、不正やミスを防ぐためのチェック機能としても棚卸は重要です。これにより、業務効率を上げるだけでなく、企業の信頼性や利益率向上にもつながります。棚卸は単なる作業ではなく、事業を円滑に運営するための重要なプロセスなのです。
1-2. 棚卸の課題
・作業ミスの発生
数え間違いや記録漏れなど、人的ミスによるデータの不正確さが発生することがあります。
・時間と労力の負担
棚卸作業には多くの時間がかかり、特に規模の大きな在庫を扱う企業では大きな負担となります。
・営業時間や通常業務への影響
営業中や業務稼働中に棚卸を行うと、顧客対応や日常業務に支障をきたす場合があります。
・在庫データとの不一致
システム上の在庫情報と実在庫が一致しないことで、混乱が生じるケースが多々あります。
02. 棚卸方法
2-1. 実地棚卸
実地棚卸は、実際の在庫を物理的に数え上げ、数量や状態を確認する作業のことです。この手法は、倉庫や店舗にある全ての商品を対象とし、目視やスキャナーを用いて在庫数をチェックします。実地棚卸の目的は、帳簿やシステム上の在庫データとの照合を行い、誤差を特定することにあります。特に、不良品やロス品の有無、在庫過不足の確認が重要なポイントです。また、実地棚卸は通常、定期的(例:年1~4回)に行われます。正確な在庫情報を得ることで、業務効率やコスト管理、顧客満足度の向上に繋がる一方、大規模な倉庫では多くの人員や時間を要するため、事前準備と計画が鍵となります。
カウント中に不明点や不一致があればその場で記録し、最終的に集計して帳簿データと照合します。実地棚卸のメリットは、在庫を目視で確認できるためデータの信頼性が高まり、在庫の状態(破損や劣化)も把握できます。一方、デメリットは人手と時間がかかるため、大量在庫を持つ場合は非効率になりやすく、人的ミスのリスクも伴います。
2-2. 帳簿棚卸
帳簿棚卸は、在庫の入出庫データや取引記録に基づき、帳簿やシステム上で在庫数量を算出・管理する方法です。この手法は、実際の在庫を物理的に確認するのではなく、記録された情報を元に在庫状況を把握するため、効率的かつ迅速に在庫管理が可能です。ただし、帳簿棚卸はシステムや記録の精度に依存するため、データ入力ミスや記録漏れがあると、実際の在庫数と帳簿上の数にズレが生じる可能性があります。そのため、帳簿棚卸は日々の在庫管理を効率化する手段として活用される一方、実地棚卸と併用して精度を高めることが一般的です。
03. 棚卸の頻度と時期
3-1. 棚卸の頻度
①年1回の棚卸(期末棚卸)
決算時期に合わせて実施する方法。財務報告に必要な正確な在庫データを把握するために重要です。
メリット:全体的な在庫状況を確認できる。
デメリット:1回の作業量が膨大になりやすい。
②月次や四半期ごとの棚卸
定期的に在庫を確認する方法。短いサイクルで実施することで、在庫データの精度を保ちます。
メリット:ミスや不正の早期発見が可能。
デメリット:頻度が高い分、時間と人手が必要になる。
③サイクルカウント(循環棚卸)
全在庫を一度に確認するのではなく、一定期間ごとに一部の在庫を順次チェックする方法。
メリット:通常業務と並行して効率的に実施できる。
デメリット:全体を把握するまでに時間がかかる。
3-2. 棚卸の時期
棚卸の実施時期は、業務への影響を最小限に抑えられるタイミングを選ぶことが重要です。
①繁忙期は避ける
売上が集中する繁忙期に行うと、営業や業務に支障をきたす可能性があります。閑散期や営業外の時間を活用するのが望ましいです。
②取引の区切り時
月末や四半期末、半期末など、取引の締め時期に行うと、データの整合性を取りやすくなります。
③キャンペーン後
セールやプロモーション後に棚卸を行うと、在庫の変動を確認しやすくなります。
頻度と時期の決定のポイント
棚卸の頻度と時期は、事業規模や在庫の流動性、リソースを考慮して設定することが重要です。効率的に進めるためには、実地棚卸と帳簿棚卸を組み合わせたり、サイクルカウントを取り入れるなど、自社に合った方法を採用しましょう。適切な頻度とタイミングでの棚卸は、在庫管理の精度向上と業務の安定に直結します。
04. 実際の棚卸の手順
棚卸をスムーズに進めるためには、明確な手順と適切な準備が欠かせません。以下では、棚卸を行う際の具体的な手順を解説します。
▶ステップ1:棚卸計画の立案
1. 目的の明確化
棚卸の目的(在庫の確認、不正の発見、決算対応など)を明確にします。
2. 対象の決定
棚卸を行う範囲や在庫品目を特定します。
3. スケジュールの設定
実施日や所要時間を計画し、関係者に周知します。
4. 人員の割り当て
作業担当者を決定し、役割を分担します(リーダー、カウント担当、記録担当など)。
▶ステップ2:棚卸準備の実施
1. 必要なツールの用意
棚卸リスト、バーコードスキャナー、筆記用具、集計シートなどを準備します。
2. 保管場所の確認
棚や倉庫内を整理整頓し、在庫品が確認しやすい状態にします。
3. 事前データの確認
システム上の在庫データを確認し、最新の状態に更新します。
▶ステップ3:在庫カウントの実施
1. 現場でのカウント
チームごとに分かれ、決められたエリアや棚ごとの在庫をカウントします。
2. 記録の正確化
カウント結果をその場で記録し、不明点や異常があればメモします。
3. ダブルチェック
記録が正確かどうか、別の担当者が再確認します。
▶ステップ4:データの集計と突合
1. カウント結果の集計
各チームからのデータを集め、全体の在庫状況を整理します。
2. システムデータとの比較
実際のカウント結果とシステム上の在庫データを突合し、不一致を特定します。
3. 原因の調査
不一致の原因(入力ミス、紛失、不正など)を調査し、必要に応じて修正します。
▶ステップ5:結果の報告と反省
1. 棚卸結果の共有
関係者に棚卸結果を報告し、在庫状況や不一致の原因について共有します。
2. 問題点の改善策検討
棚卸作業中に発見された課題や問題点を整理し、改善策を検討します。
3. 次回に向けた準備
反省点を記録し、次回の棚卸計画に活かします。
【作業を効率化するための工夫】
デジタルツールの活用
在庫管理システムやバーコードスキャナーを活用することで、手作業によるミスを減らせます。作業分担とチーム連携・役割を明確にし、チーム内で連携を図ることでスムーズな作業進行が可能です。タイムスケジュールの管理作業ごとに時間を区切り、進行状況を適宜確認することで、効率的に進められます。実際の棚卸作業は、準備や計画が成功の鍵を握ります。一つ一つのステップを丁寧に進めることで、正確で効率的な棚卸を実現しましょう。
05. 正確で効率的な棚卸を行う方法
5-1. 在庫管理システム(WMS)
WMS(倉庫管理システム)は、効率的な在庫管理を支える多彩な機能を備えています。リアルタイム在庫管理機能では、商品の入出庫や移動情報を即座にシステムに反映し、最新の在庫状況を確認できます。また、商品ごとのロット番号やシリアル番号を追跡することで、正確な在庫情報を提供可能です。棚卸作業においては、バーコードやRFID技術との連携により、手作業でのミスを最小限に抑えたスムーズな作業を実現します。さらに、商品の配置場所やピッキング順序を最適化することで、倉庫内の作業効率を大幅に向上させます。加えて、棚卸結果や在庫データをレポート形式で出力する機能もあり、経営判断や在庫管理の分析に役立てることができます。
WMSの導入によるメリット
WMS(倉庫管理システム)を導入することにより、棚卸時のヒューマンエラーが減少し、在庫データの信頼性が向上します。これにより、手作業で行う棚卸の時間が短縮され、通常業務への影響も軽減されます。また、過剰在庫や欠品を防ぐことで在庫コストを抑え、業務全体の効率化が進みます。さらに、在庫状況や作業進捗をリアルタイムで確認できるようになり、迅速な意思決定が可能となります。
導入時の注意点
自社の業務フローに合ったシステムを選ぶことが重要です。導入後の操作トレーニングを徹底し、現場スタッフが使いこなせる体制を整えましょう。また初期コストを考慮しつつ、中長期的な効率化効果を見込んで判断する必要があります。WMSは、正確かつ効率的な棚卸を実現するための強力なツールです。適切なシステムを選び、活用することで、在庫管理の課題を解決し、事業全体のパフォーマンスを向上させることができます。
5-2. 棚卸作業のマニュアル化とスタッフ教育
棚卸作業を正確かつ効率的に行うためには、作業手順をマニュアル化し、スタッフ全員に対して適切な教育を行うことが重要です。明確なルールと教育体制が整っていることで、ミスや混乱を防ぎ、棚卸の精度と作業効率を大幅に向上させることができます。
1. 棚卸作業のマニュアル化
作業手順を標準化し、誰でも同じ品質で棚卸を実施できるようにすることを目的としています。これにより、新しいスタッフでもスムーズに作業を進められる環境を整えることができます。マニュアルには以下の内容を盛り込む必要があります。まず、棚卸の重要性や目的を簡潔に説明した「作業の概要と目的」を記載します。次に、準備段階で必要なツール、対象範囲の確認、事前の在庫整理方法などを具体的に示します。そして、実際の在庫カウントの方法として、バーコードスキャンや手作業の注意点を含めた「カウント手順」を詳細に記載します。さらに、カウント結果の記録方法や不一致データの報告手順など「記録とデータ管理」についても説明します。加えて、データ不一致や在庫紛失が発生した場合の「トラブル対応」も含めます。
効果的なマニュアル作成のポイントは、見やすく簡潔なレイアウトにすることです。図解やフローチャートを活用し、現場の声を反映した実用的な内容にすることが重要です。また、内容を定期的に見直し、最新の状態を維持することで、継続的な改善を図ります。
2. スタッフ教育
棚卸業務を正確かつ効率的に進めるためには、スタッフ教育が欠かせません。教育では、まず棚卸の目的や重要性、会社にとってのメリットを共有し、作業の重要性を理解させます。次に、実務トレーニングを通じて具体的な作業手順やシステムの使い方を習得させます。さらに、よくあるミスを共有し、注意点を説明することでミスの防止を図ります。チームでの連携の重要性も学び、作業効率を高めます。教育は、現場でのシミュレーションやマニュアルを活用し、質疑応答の場を設けることで実践的かつ効果的に行います。
5-3. 物流倉庫にアウトソーシングする
棚卸作業を効率的かつ正確に行うための一つの方法として、物流倉庫にアウトソーシングすることもおすすめです。自社で棚卸を行う負担を軽減し、業務の専門性を活かすために外部の物流倉庫を活用することは、コスト削減や業務の効率化に繋がる場合があります。ここでは、物流倉庫へのアウトソーシングのメリット、注意点を解説します。
物流倉庫にアウトソーシングするメリット
①業務負担の軽減
自社内で棚卸作業を行う場合、スタッフの人数や時間を確保しなければならず、繁忙期などには大きな負担となります。アウトソーシングを活用することで、これらの業務負担を軽減し、他の重要な業務に集中できるようになります。
②専門的なノウハウと技術の活用
物流倉庫業者は、在庫管理や棚卸のプロフェッショナルです。最新の在庫管理システム(WMS)や効率的な物流運営技術を活用して、高精度な棚卸作業が期待できます。また、経験豊富なスタッフが作業を担当するため、ミスやトラブルが減少します。
③コスト削減
自社で棚卸を行う場合、設備投資や専任スタッフの育成、時間の確保にコストがかかります。アウトソーシングすることで、こうした固定費を削減でき、より効率的なコスト管理が可能です。さらに、物量に応じた柔軟な契約が可能なため、需要に応じたサービスを選択できます。
【注意点】
物流倉庫へのアウトソーシングにはいくつかの注意点があります。まず、外部業者に棚卸を依頼すると、自社で直接管理することが難しくなります。進行状況や問題が発生していないかなど密なコミュニケーションが求められます。事前に業者と打ち合わせを行い、自社のニーズに沿ったサービス提供を調整することが大切です。
では、実際どのようにコミュニケーションを取っているのか、ミカロジの例をご紹介します!
【ミカロジのコミュニケーション事例】
・スタート前のしっかり打ち合わせ
入荷方法や保管の希望、梱包の仕方まで、事務スタッフと現場の担当者が一緒になって細かく確認します。「こうしてほしい!」という要望をしっかり共有できる場を設けています。
・定例ミーティングで安心サポート
稼働後の気になる点や、新たなご要望、イベントのスケジュールなど、定期的にお話ししています。ちょっとした疑問でも気軽に相談できる雰囲気を大切にしています。
・特別な案件も柔軟に対応
普段と違う作業が必要な時は、その都度お客様と具体的に打ち合わせをします。一緒に最適な方法を考えていくスタイルです。
・在庫や作業の確認もお気軽に!
倉庫に足を運んでいただき、商品の状態や作業内容を直接確認いただくことも可能です。特に海外からの入荷商品では、仕様が変わることもあるので、入荷タイミングで来社されるお客様も多いです。
・チャットツールでスムーズなやりとり
メールや電話に加えて、チャットワークにも対応しています。外出が多いお客様からは、「すぐ対応してくれるので助かる!」とご好評いただいています。
06. ミカロジの通販倉庫サービスをご紹介
07. まとめ
棚卸は企業にとって重要な業務で、正確かつ効率的に行うことが求められます。しかし、ミスやトラブルが発生することも少なくありません。この記事では、棚卸の基本的な方法や頻度、手順に加え、効率化のためのツールや手法を紹介しました。特に、在庫管理システム(WMS)の導入や、棚卸作業のマニュアル化、スタッフ教育が重要です。また、物流倉庫へのアウトソーシングも有効な手段です。適切なツールと教育、業者選定を行うことで、棚卸精度を高め、在庫管理の効率化に繋がります。棚卸作業を業務改善の一環として捉え、自社に合った方法を実践することが、企業全体の運営をスムーズに進める鍵となります。