物流2025.02.13

物流倉庫 vs トランクルーム、料金比較と倉庫選びのポイント解説


Ξ目次
01. 商品保管方法の選択肢
 1-1. 物流倉庫とは?
 1-2. トランクルームとは?
02. コストとサービス内容の比較
 2-1. 物流倉庫のコスト構造
 2-2. トランクルームのコスト構造
03. 事例紹介:物流倉庫 vs トランクルーム
 3-1. 物流倉庫利用事例
 3-2. トランクルーム利用事例
 3-3. 具体的な料金比較
04. どちらを選ぶべきか?選び方のポイント
05. まとめ


「商品保管場所の選択に悩んでいませんか?」

中小企業では、限られたオフィスや倉庫のスペースで商品を保管しなければならず、効率的な保管方法に悩む企業が増えている。「物流倉庫を使うべきか?」「トランクルームで十分か?」といった悩みを抱えている経営者に向けて、どちらが最適なのかを詳しく解説します。

 

01. 商品保管方法の選択肢

1-1. 物流倉庫とは?

物流倉庫は、企業が商品を効率的に保管・管理・入出庫できる施設で、パレットや棚単位での大量保管が可能です。物流業務全般をサポートし、ピッキングや仕分け、配送手配を提供します。食品や高級品など、品質管理が必要な商品に対応するため、温度・湿度管理が整備されています。セキュリティ面では防犯カメラや入退室管理が完備され、安全性が高いです。また、事業のニーズに応じて短期や長期の柔軟な契約が可能です。

「物流倉庫が向いている業種・企業」

・EC事業者:商品の受注・発送をスムーズに行いたい企業
・アパレル・ファッション業界:シーズンごとの在庫管理が必要な場合
・高級ギフトやチョコレート販売企業:温度管理や丁寧な梱包が必要な商品を扱う企業
・BtoB向け卸売業者:大規模な在庫管理と出荷が必要な場合

1-2. トランクルームとは?

トランクルームは、個人や小規模事業者が荷物を保管するための収納サービスで、1畳程度の小型スペースから複数畳までのサイズを選べます。基本的に自己管理型で、利用者が荷物の出し入れを行い、倉庫業者の管理サービスはありません。短期間からの利用が可能で、月単位や週単位の契約ができ、低コストで利用できますが、大量の商品保管には不向きです。24時間利用可能な施設もあり、セキュリティ対策は施設によって異なります。

「トランクルームが向いている業種・企業」

・小規模EC事業者:少量の商品を一時的に保管し、必要に応じて出荷する場合
・ハンドメイド・個人ブランド販売:在庫量が少なく、自宅保管だけでは手狭な場合
・書類・備品の保管が必要な企業:商品だけでなく、業務資料や備品を保管する目的で利用
・期間限定の販売業務:イベントやポップアップショップ向けの商品を一時的に保管したい場合

「物流倉庫との違い」

トランクルームは「シンプルな保管スペース」で、物流倉庫のような入出庫管理や流通機能はありません。頻繁な出荷や温度管理が必要な商品の保管には不向きですが、少量商品をコスト抑えて保管するには適しています。事業規模に応じて、どちらを選ぶか慎重に検討することが重要です。

02. コストとサービス内容の比較

2-1. 物流倉庫のコスト構造

物流倉庫の利用コストは、保管料・入出庫料・流通加工費・配送費・管理手数料など多岐にわたります。料金形態は「固定料金制」「従量課金制」「ミニマムチャージ制」などがあり、倉庫の立地や保管商品の種類、契約期間によって費用が変動します。特に、温度管理が必要な商品や頻繁な出庫作業がある場合はコストが高くなりがちです。コスト削減には、従量課金制の選択や倉庫管理システム(WMS)の活用、無駄なスペースの削減が有効です。物流倉庫は単なる保管スペースではなく、物流業務全般を効率化できる点が大きなメリットとなります。

2-2. トランクルームのコスト構造

トランクルームのコストは、主に月額の保管料で構成され、契約するスペースの広さや立地によって料金が異なります。物流倉庫と比べてシンプルな料金体系で、敷金や保証金が不要な場合が多く、短期契約が可能なのが特徴です。一般的に、小規模なスペースなら月額数千円~数万円で利用できますが、空調やセキュリティ完備の施設は割高になります。費用を抑えるには、必要最小限のスペースを選び、長期契約割引を活用するのが効果的です。低コストで手軽に利用できるため、少量の在庫や一時保管向けに適した選択肢といえます。

03. 事例紹介:物流倉庫 vs トランクルーム

3-1. 物流倉庫利用事例

事例①:アパレルECショップの在庫管理を効率化

A社は、ファストファッションを扱うECショップで毎月数千件の注文を処理していましたが、在庫増加により自社オフィスのスペースが不足し、出荷業務が滞っていました。そこで物流倉庫を活用し、在庫管理・ピッキング・梱包・出荷を一括委託。業務効率が大幅に改善され、発送ミスの削減、配送スピードの向上、スタッフの負担軽減を実現しました。結果的に、業務の効率化が進み、売上拡大に繋がりました。

事例②:複数拠点の在庫を一元管理

C社は、全国に複数の小売店舗を持つ化粧品ブランドで、在庫管理と配送の効率化を目指し、物流倉庫を活用しました。以前は店舗ごとに在庫を抱えていましたが、倉庫に集約することで過剰在庫を削減し、リアルタイムで在庫状況を把握できるようになりました。さらに、店舗からの発注に応じて最適なタイミングで補充出荷を行う仕組みを導入。これにより、無駄な在庫コストの削減と店舗オペレーションのスムーズ化を実現しました。

物流倉庫の活用によって、在庫管理の効率化、出荷業務の負担軽減、品質管理の向上など、さまざまなメリットを得られます。特に、ECショップや温度管理が必要な商品、複数拠点の在庫を管理する企業にとって、物流倉庫は最適なソリューションとなります。

3-2. トランクルーム利用事例

事例①:小規模ECショップの季節在庫管理

D社は季節ごとに商品ラインナップが変わるアパレルECショップを運営しており、オフシーズンの商品を一時的に保管するためトランクルームを利用しました。少量で長期間保管する必要があり、頻繁な出庫がないため、コストを抑えつつ手軽にスペースを確保する方法として最適でした。保管料が安価で契約期間も柔軟に設定でき、経済的負担を抑えながら業務を続けることができました。

事例②:イベント用品の保管と管理

E社は定期的にイベントを開催しており、展示用パネルや什器、販促資材の一時保管場所を必要としていました。トランクルームを活用し、イベントごとに異なる道具を管理。利用頻度に応じて柔軟にスペースを契約でき、短期間で必要なスペースを確保できるため非常に便利でした。契約後すぐに物を出し入れでき、コストも安価で、無駄なスペースを借りず効率的に運用できました。

3-3. 具体的な料金比較

物流倉庫とトランクルームは、事業規模や取扱商品に応じて選ぶべきです。物流倉庫は大量商品や頻繁な入出庫、温度管理が必要な企業に最適で、業務効率化が可能です。一方、トランクルームは少量商品や短期間保管に適し、コストを抑え柔軟に利用できます。選択はニーズに合った保管方法を考慮して行うことが重要です。物流倉庫とトランクルームの料金体系は大きく異なります。ここでは、それぞれの費用の目安を示しながら、コスト面での違いを比較します。

① 物流倉庫の料金体系

物流倉庫の費用は、主に以下の要素によって決まります。
・保管料(月額 / 立方メートル or パレット単位)
・入出庫手数料(1回ごとの作業費用)
・管理費(在庫管理システムやセキュリティ費用など)
・その他オプション費(ピッキング、検品、梱包など)

【料金目安】

サービス内容

小規模倉庫(20㎡)

中規模倉庫(50㎡)

月額保管料

3万~8万円

8万~20万円

入出庫手数料(1回あたり)

500円~1,500円

1,000円~3,000円

ピッキング・梱包

1個100円~

1個50円~

※ 倉庫の立地やサービス内容により大きく変動します。

 

② トランクルームの料金体系

トランクルームの費用は、シンプルな月額料金制が基本です。ただし、ビジネス利用向けのプランがあるかは事前に確認が必要です。
・月額使用料(広さごと)
・セキュリティ費用(一部の施設で発生)
・保険料(任意加入の場合あり)

【料金目安】

トランクルームの広さ

月額料金(屋内型)

月額料金(屋外型)

1帖(約1.6㎡)

5,000円~1万円

3,000円~8,000円

2帖(約3.3㎡)

8,000円~1.5万円

5,000円~1.2万円

5帖(約8.2㎡)

2万円~4万円

1.5万円~3万円

※ トランクルームは都心ほど高くなる傾向があります。

 

③ 物流倉庫とトランクルーム、どちらが安い?

単純な「月額保管料」だけで比較すると、トランクルームの方が安く見えます。ただし、以下の点を考慮すると、長期的なコストは変わってきます。

■物流倉庫が割安になるケース

・大量の商品を管理する場合(パレット単位の保管が可能)
・入出庫が頻繁で、オペレーションサービスを利用する場合
・キュリティや温湿度管理が必要な商品を扱う場合

■トランクルームが割安になるケース

・小規模な在庫を短期間保管したい場合
・出荷作業を自社で行い、単純にスペースだけ確保したい場合
・倉庫ほどの管理機能は不要な場合

■結論

・在庫量が多く、物流業務も含めて委託したいなら物流倉庫

・小規模な在庫で、自社で管理できるならトランクルーム

04. どちらを選ぶべきか?選び方のポイント

物流倉庫とトランクルームの選択には、保管する商品の特性や業務フローの違いを理解することが重要です。物流倉庫は、大量の商品を効率的に管理し、入出庫の頻度が高い企業に適しています。また、温度・湿度管理や流通加工が可能なため、食品やアパレルなどの業界にも向いています。対して、トランクルームは短期間の一時保管や、保管スペースの確保が主な目的であり、低コストかつ小規模な事業や個人向けに適しています。まずは、自社の商品特性や物流の流れを整理し、どちらが業務に合うかを見極めましょう。

 

05. まとめ:最適な選択をするために

適切な保管方法を選ぶには、事業の成長段階やコスト面も考慮する必要があります。物流倉庫は、長期的に安定した運用が求められる場合に有効で、アウトソーシングを活用すれば物流業務の負担も軽減できます。一方、トランクルームは、事業の立ち上げ期や繁忙期の一時的なストック保管など、柔軟に対応したいケースに最適です。将来的な事業拡大や物流の効率化を見据え、どちらが適しているか慎重に判断しましょう。

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