物流2025.03.21

フィギアの出荷業務を最適化


Ξ目次

01. フィギュアとは?
 1-1. フィギュアの定義と種類
 1-2. フィギュアの商品特性
02.  フィギュアの出荷に関する主な課題
 2-1. 発売日に合わせた大量出荷の負担
 2-2. 高額商品のセキュリティ管理の重要性
 2-3. 破損リスクと梱包の工夫

03. フィギュアの出荷業務を効率化する方法
 3-1. プロの物流会社に委託するメリット
 3-2. 在庫管理を最適化するポイント
 3-3. 中古フィギュアの物流にも対応

04. ミカロジの出荷業務体制
05. まとめ:物流の最適化でフィギュアビジネスの成長を加速


フィギュア市場は拡大を続け、人気商品の発売日には大量の出荷が集中します。
しかし、フィギュアは精密な造形や繊細な塗装が施され、破損リスクが高いため慎重な梱包と管理が必要です。さらに、高額商品や限定品も多く、在庫管理やセキュリティ面での課題もあります。こうした負担を軽減し、本業に集中するために、物流業務を専門の会社に委託する企業も増えています。本記事では、フィギュアの出荷課題とその最適な解決策を解説します。

01. フィギュアとは?

1-1. フィギュアの定義と種類

フィギュアにはさまざまな種類があり、用途や仕様によって分類されます。

①スケールフィギュア
1/4、1/6、1/7、1/8など、実際のサイズを基準に縮小されたフィギュア。精密な造形と塗装が魅力で、コレクション性が高い。

②可動フィギュア(figma、S.H.Figuarts など)
関節が可動し、ポーズを自由に変更できるフィギュア。付属パーツや交換用表情パーツがあり、遊びの幅が広い。

③ねんどろいど
デフォルメされた2.5~3頭身のフィギュア。表情やパーツの交換ができるため、多彩なシチュエーションを楽しめる。

④ガレージキット(ガレキ)
組み立て・塗装が必要なレジン製のフィギュアキット。イベント限定品や個人制作の作品が多い。

⑤プライズフィギュア
ゲームセンターのクレーンゲームなどで入手できる景品フィギュア。価格が手頃で、比較的カジュアルに楽しめる。

⑥限定版・プレミアムフィギュア
数量限定で販売される特別仕様のフィギュア。限定カラーや豪華な台座付きのものがあり、コレクター需要が高い。

フィギュアは種類ごとに市場価値や流通方法が異なり、それに伴って出荷・在庫管理のポイントも変わります。次の章では、フィギュアの特性について詳しく解説します。

1-2. フィギュアの商品特性

フィギュアは一般的な商品とは異なり、高いコレクション性や繊細な造形が特徴です。そのため、出荷や在庫管理の際に特別な配慮が必要になります。ここでは、フィギュア特有の商品特性について解説します。

① 繊細な造形と塗装

フィギュアは細部まで精密に作り込まれており、特に以下の点に注意が必要です。
  パーツの細かさ:武器や装飾品など、折れやすいパーツが多い。
  塗装のデリケートさ:摩擦や接触による色移り・剥がれのリスクがある。
  物流時の対策:専用の緩衝材を使用し、個別包装を徹底する。

② 高額商品が多く、市場価値が変動する

フィギュアは一般的に数千円~数万円の価格帯ですが、限定品やプレミアム商品は数十万円以上の価値がつくこともあります。
  人気商品は高騰する:発売後にプレミア価格がつくケースがある。
  外箱の状態も重要:コレクター市場では未開封・美品の価値が高い。
  物流時の対策:破損や箱の凹みを防ぐため、厳重な梱包と丁寧な取り扱いが必要。

③ 商品のライフサイクルが短い

フィギュア業界では、新作が次々と発売されるため、短期間で市場の動向が変わる特徴があります。
  再販がない商品も多い:売り切れると入手困難になり、価格が高騰する。
  新作ラッシュに伴う物流の負担:発売日に一斉出荷が発生しやすい。
  物流時の対策:大量出荷に対応できるフルフィルメント体制を整える。

④ 温湿度管理の必要性

フィギュアはプラスチックやレジン素材で作られており、高温・湿気に弱い性質があります。
  高温で変形するリスク:夏場の倉庫や輸送時に注意が必要。
  湿気による劣化:塗装の剥がれやベタつきが発生することがある。
  物流時の対策:適切な温湿度管理が可能な倉庫で保管する。

⑤ 転売対策・盗難リスク

高額なフィギュアは転売目的の買い占めや盗難リスクがあるため、厳重な管理が求められます。
  転売ヤー対策:シリアルナンバー管理や個別追跡が有効。
  盗難防止:セキュリティの整った倉庫で管理する。
  物流時の対策:専用の在庫管理システムで追跡管理を徹底する。

フィギュアは繊細で高価、かつ市場価値が変動しやすいという特性を持つため、通常の物流よりも高度な管理と慎重な取り扱いが求められます。特に、破損防止・温湿度管理・セキュリティ対策が重要なポイントです。

02.フィギュアの出荷に関する主な課題

2-1. 発売日に合わせた大量出荷の負担

フィギュアの発売日には、予約販売のために一斉出荷が求められ、多くの物流業務に大きな負担がかかります。短期間で大量の梱包・発送を行うため、作業のピークが集中し、通常業務と並行して人手を増やす必要がある一方で、作業精度の維持が課題となります。さらに、大量の注文を短時間で処理するため、誤発送や伝票ミスが発生しやすく、特に異なるバージョン(通常版・限定版・特典付きなど)の振り分けミスが問題となります。また、一度に大量の荷物が発送されると、運送会社のキャパシティを超えて配送遅延が発生するリスクも高まり、発送拠点が複数ある場合には各倉庫での調整が必要になります。

2-2. 高額商品のセキュリティ管理の重要性

フィギュア市場では、一部の商品が数万円から数十万円以上で取引されることがあり、特に限定版やプレミアムフィギュアは価格が高騰し、転売市場での価値が急増するため、盗難・紛失・不正転売のリスクが高くなります。これらの商品は倉庫内や輸送中の盗難のターゲットになりやすく、代替品がないため損失が大きいです。また、コレクター向けの商品は外箱や本体の状態が価値に直結するため、配送中の破損や湿気によって価値が低下する恐れがあります。さらに、倉庫スタッフや配送業者による発売前の情報漏洩が転売ヤーに悪用されることもあり、特に人気ブランドやメーカーの限定フィギュアはターゲットにされやすいため、厳重なセキュリティ管理が不可欠です。

2-3. 破損リスクと梱包の工夫

フィギュアはその精巧な造形や繊細なパーツが特徴であるため、輸送や保管中に破損のリスクが高く、適切な梱包が求められます。輸送中の衝撃や振動、摩擦による塗装剥がれ、湿気や温度変化による劣化を防ぐためには、まずパーツごとの個別梱包を徹底し、エアキャップ(プチプチ)や発泡スチロールなどの耐衝撃性の高い梱包資材を使用します。さらに、外箱の保護にも配慮し、OPP袋や専用ケースを活用することで、美品を保ちます。また、倉庫内では温湿度管理を徹底し、高温や湿気から商品を守ることも重要です。こうした梱包工夫を行うことで、フィギュアの破損リスクを最小限に抑え、購入者に最高の状態で商品を届けることができます。

03.フィギュアの出荷業務を効率化する方法

3-1. プロの物流会社に委託するメリット

フィギュアの出荷業務を効率化するためには、専門的な梱包技術や出荷管理システム、セキュリティ対策が求められます。プロの物流会社に委託することで、商品の特性に合った適切な梱包やスムーズな大量出荷、リアルタイムの在庫管理が可能になり、納期遅延や誤発送のリスクを減少させることができます。また、高額商品の盗難や破損リスクを最小限に抑えるためのセキュリティ対策や、コスト削減とリソースの最適化も実現できます。これにより、出荷業務の効率化が進み、自社のリソースを本業に集中することができます。

3-2. 在庫管理を最適化するポイント

フィギュアの在庫管理を最適化するためには、在庫管理システム(WMS)を導入し、リアルタイムで在庫の動きを追跡することが重要です。需要予測を基にした在庫調整を行うことで、過剰在庫や品切れを防ぎ、定期的な棚卸しを実施することで在庫データの精度を保つことができます。また、季節やイベントに応じた在庫調整や、倉庫内レイアウトの最適化を行うことで、効率的な出荷が可能となります。さらに、安全在庫を設定して急激な需要増にも対応できるようにすることで、無駄なコストや販売機会の損失を防ぐことができます。

3-3. 中古フィギュアの物流にも対応

中古フィギュアの物流には、商品の状態確認や評価、丁寧な梱包、リペア対応、返品対応、適切な保管方法が必要です。出荷前には商品の傷や塗装剥がれなどをチェックし、正確な状態を記録することで、購入者に信頼性のある情報を提供します。梱包時にはエアキャップや緩衝材を使用し、商品が破損しないよう配慮し、温湿度管理を徹底した保管環境で商品の品質を保ちます。また、返品対応や再梱包体制、トレーサビリティの確保を行うことで、効率的かつ安全に中古フィギュアの物流業務を進めることができます。

04.ミカロジの出荷業務体制

ミカロジでは、フィギュアなどの大量出荷や高額商材の出荷業務にも対応しています。
商品の保管には希望があれば定温倉庫を利用し、25度・湿度50%以下の環境を維持することで品質を守っています。(もちろん常温保管も対応。)セキュリティ対策として、倉庫全体にはセコムを導入しています。破損防止のため、導入時に梱包方法や扱い方をしっかりと確認しています。在庫管理にはWMS(在庫管理システム)を利用した方法、エクセルでの在庫管理も対応しています。
エクセル管理の場合には棚札(アナログ管理)での管理を採用し、精度を高めています。さらに、商品保険に加入していますので、事前災害、出荷中や保管中のリスクをカバーしています。

05.まとめ:物流の最適化でフィギュアビジネスの成長を加速

フィギュアの物流業務をアウトソーシングすることで、業務負担を大幅に軽減し、ビジネスの成長を加速できます。大量出荷や高額商品の取り扱い、在庫管理を専門の物流会社に任せることで、効率的かつ確実な運営が可能になります。セキュリティ対策や破損防止、温度・湿度管理が徹底された倉庫での商品保管により、品質や価値を守ることができます。さらに、万が一のリスクに備えた商品保険も適用され、安心して任せられます。これにより、物流業務から解放され、本業に集中できる環境が整います。

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • line