物流2024.06.22(更新日:2024.06.23)

日本とアメリカの物流に対する考え方の違い

日本とアメリカの物流に対する考え方の違いが如実に表れていますのが第二次世界大戦のときではないでしょうか。アメリカは兵站(ロジスティクス)を重視して、武器弾薬だけではなく食料や趣味嗜好品にわたるまで、戦場までに如何にして届けるかを徹底して考えました。

一方、日本では、この兵站を軽視したために武器不足だけでなく食料も現地調達という悲惨な状況を招き、多くの兵士を餓死させてしまいました。

この影響が残っているかどうかはわかりませんが、現在においても日米での物流に対する考え方は大きく違っています。アメリカでは「輸送業務における関連法案」によって多重下請け構造を規制しています。これは、運送業務の再委託を禁止する法案です。
中抜きによる利益率の低下、事故発生時の責任所在が不明確になることを避けるためです。

またアメリカのトレーラー輸送にはドライバーの荷待ち時間はほとんど発生しません。
万一ドライバーが契約外の荷役作業中に事故を起こした場合は、荷主側が損害賠償請求を受けることになるため、規則が厳格に順守され、荷主側がドライバーに契約外の荷役を依頼することは基本的にはありません。

反対に日本では、下請け運送業者の売上減や品質低下などの多重下請けによるリスクを把握しつつも、ドライバーに対して契約外の荷役・付帯作業や待ち時間の発生など時間に係る要素に対し、正当な対価が支払われていないのが実態です。

今回は、物流でも特に運送会社やドライバーに対しての違いを明記しましたが、ビジネスにおける物流戦略面でもいまだに日本とアメリカには大きな違いがあります。

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